給与計算担当者が突然辞めた!社長が最初の7日間でやるべき引き継ぎと回収すべき8つの情報|札幌の社労士が解説
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給与計算・顧問契約
~ 次の給料日まで、あと何日ありますか? 引き継ぎで社長が最初の7日間にやること ~
長年、給与計算を任せていた事務員さんから退職の申し出。社長がまず感じるのは寂しさよりも、「来月の給料、誰が計算するんだ?」という焦りではないでしょうか。
小さな会社ほど、給与計算は「あの人しか分からない」仕事になりがちです。エクセルの数式、保険料の控除額、住民税の金額、振込のやり方——すべてが一人の頭とパソコンの中にあります。
⚠ 給料の遅れは、待ってもらえません。
賃金は毎月決まった日に全額を支払うのが原則です(労働基準法24条)。「担当者が辞めたので今月は遅れます」は通用しません。さらに、給料が遅れると残っている従業員の信頼が一気に揺らぎ、退職の連鎖を招くこともあります。
この記事では、担当者の退職が決まったときに社長が最初の7日間でやるべきことを、優先順にまとめました。
| いつ | やること |
|---|---|
| 1日目 | 最終出勤日と、有給休暇の消化予定を確認する。実際に引き継ぎできる日数を数える |
| 1〜2日目 | 次の給料日までの日数を確認し、「誰が計算するか」の仮決めをする(社長・別の社員・外注) |
| 2〜3日目 | 下の「8つの情報」のリストを担当者に渡し、在籍中にそろえてもらう |
| 3〜5日目 | 担当者に横についてもらい、直近1か月分の給与計算を一緒にやってみる |
| 5〜7日目 | 給与ソフト・ネットバンク・電子申請のID/パスワードを会社名義で管理し直す |
説明を「聞く」だけの引き継ぎは、ほぼ確実に抜けが出ます。一番確実なのは、担当者がいるうちに1回、実際の給与計算を最初から最後まで通しでやってみることです。分からない箇所がその場で見つかります。
担当者が辞めた後に「あれはどこ?」となって困る情報を、優先度順に並べました。このリストをそのまま担当者に渡してください。
| 情報 | なぜ必要か |
|---|---|
| ① 従業員ごとの給与条件(基本給・手当・時給・締め日・支払日) | 計算の土台。口約束の手当がないかも確認 |
| ② 給与計算のエクセル・給与ソフトのデータとログイン情報 | 数式の意味や設定を、担当者に説明してもらう |
| ③ 社会保険の標準報酬月額の一覧 | 健康保険・厚生年金の控除額はこれで決まる |
| ④ 住民税の特別徴収税額の通知書(市区町村ごと) | 従業員ごとに毎月の天引き額が違う |
| ⑤ 扶養控除等申告書・源泉徴収簿 | 所得税の計算と年末調整に必要 |
| ⑥ 賃金台帳・出勤簿(過去分) | 法律で保存義務がある。調査や請求対応でも必要 |
| ⑦ 振込の手順(ネットバンクの操作・承認者) | 給料日当日に止まらないように |
| ⑧ 年間スケジュール(年度更新・算定基礎届・住民税の納付先など) | 「年に一度の仕事」が一番忘れられる |
雇用契約書や労働条件通知書がそもそも見当たらない場合は、この機会に整えておくと安心です(雇用契約書がない会社が背負う5つのリスク)。
前任者のエクセルが見つからず、住民税を先月と同じ金額で引き続ける。6月に新年度の税額に切り替わるのを忘れ、1年間ずれたまま。
市区町村から届く「特別徴収税額の決定通知書」で、従業員ごと・月ごとの金額を確認する。毎年6月分から新しい金額に切り替える。
前任者が頭の中で管理していた「月額変更届」の対象者チェックが途切れる。保険料が低いまま数か月〜数年たつ。
固定的な賃金が変わった人を毎月確認し、条件に当てはまれば月額変更届を出す。漏れは年金事務所の調査でさかのぼって指摘されることがあります。
新しい担当者が「月給÷30日÷8時間」など自分の感覚で時給を出し直し、前任者と計算方法が変わる。従業員から「先月と残業代が違う」と言われる。
残業代の基礎時給は「月平均所定労働時間」で割るのが原則。引き継ぎのタイミングで計算方法そのものが正しいか見直すのがおすすめです(残業代の時給、その計算で合っていますか?)。
この時期に担当者が辞める場合、一番注意したいのが年末調整です。年末調整は1年に一度しかないため、毎月の給与計算ができる人でも「やり方を知らない」ことが珍しくありません。
- 扶養控除等申告書・保険料控除申告書などの回収(例年11月ごろ)
- 12月(または最終の給与)での所得税の精算
- 源泉徴収票の作成・交付、市区町村への給与支払報告書の提出(1月)
年末調整の計算や税務の判断は税理士の領域です。顧問税理士がいる場合は、担当者が辞めることを早めに伝え、どこまでお願いできるか確認しておきましょう。社労士は、その前提となる毎月の給与データや社会保険の情報を整える形でお手伝いできます。

| 新しく人を雇う | 社労士に外注する | |
|---|---|---|
| 立ち上がりまで | 採用・教育に数か月かかることも | 資料がそろえば翌月から対応可能なことが多い |
| 法改正・料率改定 | 担当者が自分で調べる | 社労士側で反映 |
| 同じことの再発 | その人が辞めればまた同じ状況に | 担当者個人に依存しない |
| 向いている会社 | 給与以外の事務も多く、専任者が必要な会社 | 給与計算のためだけに人を置くのが難しい会社 |
費用感は給与計算を外注するといくらかかる?、外注すると社長の毎月がどう変わるかは社労士と顧問契約すると何が変わる?で詳しく解説しています。
| チェック項目 | 確認 |
|---|---|
| 次の給料日を、誰が計算するか決まっている | □ |
| 給与ソフト・ネットバンクのID/パスワードを会社が把握している | □ |
| 従業員ごとの給与条件が一覧になっている | □ |
| 住民税の特別徴収税額の通知書がどこにあるか分かる | □ |
| 標準報酬月額の一覧を確認できる | □ |
| 担当者がいるうちに、1か月分を通しで計算してみた | □ |
| 年末調整を誰がやるか(税理士との分担)を確認した | □ |
□が3つ以上残っている場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
すべてを理解するのは難しくても、「8つの情報」の資料とログイン情報さえ回収できれば、後から専門家が組み立て直すことは可能です。まずは資料の回収を最優先にしてください。
引き継ぎの時期は、計算の間違いが見つかりやすいタイミングです。慌てて従業員に説明する前に、どの期間・どの人・いくらのずれなのかを整理しましょう。過去分の精算方法も含めてご相談いただけます。
まずは状況をお聞かせください。資料のそろい具合と従業員数によって対応方法をご提案します。今の計算が合っているかだけを確認する「給与計算の健康診断」(22,000円から)もあります。
社会保険労務士には法律(社会保険労務士法第21条)で守秘義務が定められています。お預かりする範囲はご相談のうえで決められます。
はい。事務所は札幌市白石区ですが、データのやり取りやご相談はオンラインで行えるため、北海道内はもちろん道外の会社からもご依頼いただいています。
- まず「次の給料日を誰が計算するか」を決める
- 担当者がいるうちに「8つの情報」を回収し、1か月分を通しで計算してみる
- 住民税・月額変更届・残業代の計算方法は、引き継ぎで特に崩れやすい
- 10〜12月の退職は、年末調整の分担を税理士と早めに確認する
- 「その人が辞めたらまた困る」状態を繰り返さない仕組みを考える
担当者の退職は大変な出来事ですが、見方を変えれば、これまでの給与計算が正しかったかを見直す絶好の機会でもあります。困ったときは、資料がそろっていない段階でも遠慮なくご相談ください。
前任者の計算が合っていたか、今のうちに確認できます。
給与計算の引き継ぎ・顧問契約のご相談は無料です。下のフォームからどうぞ。
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