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年末調整の間違い10選と訂正方法|給与計算のミスが多い会社のチェックリスト【札幌の社労士】

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給与計算・年末調整

~ 給与計算シリーズ第3弾|社労士が「現場で本当に多いミス」と直し方を解説 ~


1. 年末調整のミスは「よくあること」。でも放置は危険

「給与計算でミスが多いのはどこですか?」と聞かれたら、私はまず年末調整と答えます。年に一度しかやらないため手順を忘れやすく、しかも税制改正で毎年のように控除の要件が変わるからです。

年末調整を間違えると、従業員の所得税が多すぎたり少なすぎたりするだけでなく、源泉徴収票の金額が誤ったままになり、住民税の計算や、従業員の住宅ローン審査・保育園の手続きにまで影響が広がります。

⚠ 放置するとこうなります

・税務調査で不足分の源泉所得税+不納付加算税・延滞税を会社が負担することがある

・従業員から「去年の年末調整、間違ってましたよね?」と指摘され、信頼を失う

・翌年の住民税額も誤った金額で決まってしまう

大切なのは「ミスをゼロにすること」より、ミスが起きやすい場所を知って、見つけたら正しい手順で直すことです。

2. 現場で本当に多い年末調整の間違い10選

札幌・北海道の中小企業の給与計算を担当してきた中で、実際によく見かける間違いを順番に紹介します。

No. よくある間違い なぜ起きる?
① 扶養親族の所得要件オーバーを見落とす パート収入の家族の年収見込みを確認していない。要件は税制改正で変わるため前年の感覚で判断しがち
② 中途入社者の前職分を合算していない 前職の源泉徴収票を回収し忘れ、自社分だけで年末調整してしまう
③ 生命保険料控除の「新制度・旧制度」の取り違え 控除証明書の区分を見ずに一律で計算してしまう
④ 住宅ローン控除(2年目以降)の書類不足 「年末残高等証明書」と「控除申告書」の両方が必要なのに片方しかない
⑤ 12月の給与・賞与を含めずに計算 年末調整を11月中に締めてしまい、12月の支給額が反映されない
⑥ 16歳未満の子を扶養控除の対象にしてしまう 16歳未満は扶養控除の対象外(住民税の申告用に記載は必要)
⑦ 年末調整の対象外の人まで年末調整する 給与収入2,000万円超の人や、乙欄(他社がメイン勤務)の人は対象外
⑧ 配偶者控除と配偶者特別控除の判定ミス 本人(世帯主)の所得による段階的な控除額の違いを見落とす
⑨ 社会保険料控除に「本人が直接払った国民年金」を入れ忘れ 家族分の国民年金保険料も、本人が払っていれば控除できることを知らない
⑩ 還付・徴収額を給与明細に反映し忘れる 計算はしたが、12月(または1月)の給与明細で精算していない
特に注意したい「扶養の判定」

①⑧は毎年トップクラスに多い間違いです。扶養控除や配偶者控除の所得要件は、近年の税制改正で見直しが続いています。「去年と同じだから大丈夫」は通用しません。必ずその年の国税庁「年末調整のしかた」で最新の金額要件を確認してください。

✕ NG例

「奥さんのパートは去年も扶養内だったから、今年もそのまま配偶者控除で」

○ OK例

「今年の年収見込みを本人に確認し、最新の要件と照らして控除の種類と金額を判定する」

年末調整の間違い10選と訂正方法|給与計算のミスが多い会社のチェックリスト
中途入社者は「前職の源泉徴収票」が命

②は、年の途中で入社した人がいる会社で頻発します。前職の源泉徴収票がないと正しい年末調整はできません。入社時点で提出をお願いし、届かない場合はその人は年末調整せず、本人に確定申告をしてもらう判断も必要です。

3. 間違いに気づいたときの訂正方法(時期別)

年末調整の誤りは、気づいた時期によって直し方が変わります。目安は「翌年1月31日」です(源泉徴収票・給与支払報告書の提出期限)。

気づいた時期 会社がやること
12月中〜翌年1月31日まで 正しい内容で年末調整をやり直す(再年末調整)。差額は給与で精算し、源泉徴収票を作り直して従業員に再交付する
翌年1月31日以降 原則として会社で再年末調整はできない。従業員本人が確定申告(または更正の請求)で精算する。源泉徴収票・給与支払報告書を提出済みなら訂正分を再提出する
源泉所得税が不足していた場合 不足分を従業員から徴収し、会社が納付する。期限後の納付になると不納付加算税・延滞税がかかることがある
源泉所得税を納めすぎていた場合 従業員に還付し、その後に納める源泉所得税から差し引いて調整する(納付書の記載に注意)
💡 訂正の3ステップ

①原因を特定(どの控除・どの従業員か)→ ②差額を計算して給与で精算 → ③源泉徴収票・給与支払報告書・法定調書合計表を訂正して再提出。従業員には「何が・いくら・なぜ」変わったかを一言添えて渡すと、トラブルになりません。

⚠ 市区町村への給与支払報告書もお忘れなく

源泉徴収票だけ直して、市区町村(札幌市など)に提出した給与支払報告書を直し忘れると、住民税が誤った金額のままになります。必ずセットで訂正してください。

4. ミスを防ぐ提出前チェックリスト

12月の給与を確定する前に、以下を一つずつ確認してください。印刷してお使いいただけます。

チェック項目 確認
全員から「扶養控除等申告書」を回収した(今年分) □
扶養家族・配偶者の今年の所得見込みを本人に確認した □
中途入社者の前職の源泉徴収票を回収した □
保険料控除証明書の原本(または電子データ)がそろっている □
生命保険料の新制度・旧制度の区分を確認した □
住宅ローン控除の申告書と残高証明書が両方ある □
12月支給の給与・賞与まで含めて計算した □
年末調整の対象外(2,000万円超・乙欄・年内退職者等)を除外した □
還付・徴収額を給与明細に反映した □
今年の税制改正の変更点を国税庁資料で確認した □

給与計算全体でミスが起きやすいポイントは、シリーズ第2弾「給与計算のミスが経営リスクになる|7大落とし穴」で詳しく解説しています。

5. よくある質問(Q&A)
Q. 年末調整の間違いは何年前までさかのぼって直せますか?

A. 会社で再年末調整ができるのは原則として翌年1月31日までです。それ以降は従業員本人が確定申告や更正の請求で直すことになり、税金を取り戻す更正の請求は原則5年以内です。会社側の源泉所得税の不足は、気づいた時点で速やかに納付するのが安全です。

Q. 従業員が申告した内容が間違っていた場合も会社の責任ですか?

A. 源泉徴収義務者は会社なので、不足分の納付義務は会社にあります。ただし不足額は従業員から徴収できます。申告書の内容に不自然な点があれば、提出時に確認する習慣をつけておきましょう。

Q. 年の途中で退職した人も年末調整が必要ですか?

A. 原則として年末調整はしません(12月の給与支払後に退職した人などの例外あり)。退職時に源泉徴収票を交付し、本人が再就職先で年末調整を受けるか、確定申告をします。

Q. 年末調整だけ社労士や専門家に頼むことはできますか?

A. はい。当事務所では年末調整を含む給与計算のチェックをスポット(単発)でお受けしています。税額計算そのものや税務相談は提携の税理士と連携して対応します。

6. 年末調整を社労士に任せるという選択肢

年末調整のミスの多くは、担当者の能力ではなく「年に一度しかやらない」「毎年ルールが変わる」という仕組みの問題から生まれます。社内で抱え込むほど、担当者の負担と会社のリスクは大きくなります。

五合庵行政書士・社労士事務所では、札幌・北海道の中小企業の給与計算を日常的に担当しています。「今年の年末調整が合っているか見てほしい」「去年の間違いをどう直せばいいか分からない」といったご相談だけでも大歓迎です。外注した場合の費用感は「給与計算を外注するといくらかかる?」をご覧ください。

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